もへお備忘録

二次創作備忘録 発達障害ASDADHDで統合失調症を併発しており、ネットでも現実でも失敗を繰り返してきました。居場所がなくなんとなくブログを始めた次第です

逆転裁判パロディ

逆転裁判パロディSS

逆転裁判 逆転のシャア

アムロ『僕には、ある特殊能力がある。それは、相手の心理状況に対する異常なまでの洞察力…僕は“人のウソ”が見えてしまう。喩え僕自身がそれを望まなくとも…』
『それは、ある種のオカルトで。誰に理解されるわけでも、科学的根拠を持って裏付けできる訳でもない』

『この力の存在を、客観的に証明する事はできない。だから、裁判でこの力を発揮したとして、そこでは何の証拠能力も持たない、法的には意味のない力。でも僕はこの力のお陰で、プロセスを省いて証言の矛盾を”超自然的“に理解してしまう。
ニュータイプサイコメトリーともいうべき力が、僕を弁護士の地位までのし上げた。
これは、所長すら知らない僕だけの秘密。
超理解。誰に理解される力ではない。まして法曹界でオカルトなどと…』
???「おはよう、アムロ
アムロ「あ、しょ、所長!おはようございます…」
セイラ「あら、相も変わらずおセンチなのね。貴方らしいけど。少し固いのではなくって?」

アムロ「す、すみません。初公判で少し緊張しているみたいで。昨夜はうまく眠れなくって」
セイラ「フフ、新人さんはそれぐらい初々しい方が、かえっていいのではないかしら。検事さんにも警戒されずに、可愛がってもらえるかもしれないわ」
アムロ「そ、そうですか…?」
セイラ「でもあまり期待しないことね。法廷は素人さんにレベルを合わせる程甘くはなくてよ」

検事席に立つのは例の赤い人で例の赤い人とニュータイプ的共感を法廷でかましちゃうと思う

アムロ『シャア…?と言ったな、僕は…たしか…』
???『フ、聞こえたと言うことは、貴様もニュータイプか』
アムロ「…コイツ、直接脳内に…?」

シャア「フ、まさか法廷で、私以外のニュータイプお目にかかれるとは。驚くべきことだ、アムロ君。君のその検察側の捜査能力すら無効化する直観力。検事局としては実に興味深い。が、それ以上に危ういのだ。貴様は見えてはならぬものを見てしまう。即ち、我々法曹界に潜む混沌の闇すらもな、アムロ

アムロ「どういう、事ですか…」
シャア「法の秩序あっての司法だ。しかし君は図らずも気づいてしまった。この、偽装された証拠に」
アムロ「あ!それは、さっきガルマ検事が提出した…」
シャア「君が一目でウソと見抜いた先の証言。確かに証人の証言そのものは検察側の強い誘導を受けたものであり、この証拠もいわば非合法…、作られた証拠であることは、いうまでもない」
アムロ「それじゃあやっぱり!あの検事は証人を操作してウソの証言を…!」
シャア「しかし、それもこれも、”真犯人を確実に有罪にする“ためだ」
アムロ「有罪…」
シャア「ガルマが起訴した相手は、有名企業の社長子息。事件を裏側で手引きしているのは状況的には明らかだ。幾度なく検察の起訴を受け、それでも捕まる事のなかった」
シャア「無罪推定の原則を盾に、証拠不十分であるとの理由で。それの意味するところがわからない君ではないはずだが」
アムロ「…まさか、警察や検事局との政治癒着、ですか」
シャア「察しが早くて助かる」
アムロ「何度起訴しても、企業側が裁判官や捜査官を買収して判決を覆す。やがて事件そのものを揉み消される…」
シャア「流石、若き新星と呼ばれるだけはあるようだな」
アムロ「しかし、それでも…裁判所で警察とグルになって証拠の偽装だなんて…。法に対する裏切りでは…」
シャア「全ての法が人を公正に裁くとは限らんよ、アムロ君」
アムロ「…!」
シャア「物事には必ず例外があるように、法さえも、探せば幾らでも逃げ道があるのだ。明らかに被疑者が有罪と分かっていながら、裏社会の小賢しい工作でみすみす犯罪者を取り逃すようなことがあって然るべきと思うかね、君は」
アムロ「…」
シャア「君の愚かな正義感が、一度の審判で裁けたはずの被疑者を法廷の檻から解放した。たかが寿命が少し延びただけ。くだらんとは思わんのかな、弁護士君」
アムロ「…しかし、事件にまだ疑問があって、議論する余地があるならば、最後まで審議を続けるべきですッ!」
シャア「時間の無駄だ」
アムロ「そんなの…、公正な裁判じゃない!」
シャア「所詮、人の作った法は人の為の法であって、完全ではないという事だ。なら私は、その法が届かざる領域を、検事局の持てる手段を以て、人類を粛正しようというのだ、アムロ!この私自身の手によって、な」
アムロ「エゴだよ、それは…!」
シャア「治安が持たん時が来ているのだ」
アムロ「人が人に罰を与える(裁く)だなどと…!」
シャア「私シャア・アズナブルが、法が代わりに人類を導くのだ(わかるか、アムロ)」
アムロ「人に人の審判などできない!」
シャア「ならば問おう、司法が機能しえないこの世界で、人の犯罪は誰が一体裁くのだ。神か、それとも悪魔か?」
アムロ「そんな理屈…!それに人が、神や悪魔になれるものか!」
シャア「……アムロ、貴様もこの現状を憂うるというのならば、人に叡智を授けてみろ」
アムロ「叡智…だと?」
シャア「なるほど、確かに我々のしている事は法の上で正しい事ではないかもしれない。しかし目の前にある公然の悪を、推定無罪と裁かず釈放し、犯罪者を野放しにする事に何の意味がある。拘束を解いたが為に、新たな犯罪が生まれ、罪も無き人の命が失われるような事があれば、我々は何の為に検事席に立っているかもわからぬ。では、正しい裁判とは一体何なのだ。法が人を裁かず、警察が犯罪抑止の機能を持たず、裁かれざる悪を量産する司法の手続きに、どれ程の意味があるのか。君の言う"公正な裁判"は、果たして正義といえるのかね」
アムロ「それは…」
シャア「人は必ず過ちを犯す。果たして、人は自ら正せるだけの力を、もっていると言えるのか」
アムロ「人の智慧は、そんなもんだって乗り越えられる!」
シャア「そうか。ならば、貴様が信じる"人の光"、その可能性を証明してみせるのだな。この神聖なる裁きの庭で、貴様の持つ証拠品を持ってして。できるか貴様のような素人に」
アムロ「ぐっ…」
シャア「フン…、所詮、君の謳う心の光など、何処かの陰謀論とも大差ない。ニュータイプなどと、科学的証明のできない不可視領域は、人にとって、ただのオカルトに過ぎないのだ」
アムロ「貴様もニュータイプだろうに」
シャア「同じ事だ、これまで出会ってきた人間は、誰一人、私の見た精神世界の事を信じなかった。ならば私は、たとえ冷徹無慈悲と罵られようとも、真犯人をこの検察の権威と権能をもってして、必ず牢獄に捻じ伏せる。もう二度と、人が同じ過ちを繰り返さん為にな」
アムロ「…」
シャア「おや、威勢がいいのは初めだけかね、アムロ君」
アムロ「僕は、それでも信じる。人の良心と理性の光。そして貴方の見た世界の事。僕も、同じニュータイプだから」
シャア「…」
アムロ「僕もずっと、独りだったから」
シャア「何を言うかと思えば、とんだ見当違いだな、弁護士君。私が淋しさを抱くなどと、そんな幼稚な男に見えるかね」
アムロ「僕にはわかる、貴方の苦しみが」
シャア「…フン、どうも君は人が好すぎるようだな。私はそこまで純粋な人間ではない。私は生来より残忍に生まれたのだ。苦しむ余地などない」
アムロ「嘘です、そんなものは」
シャア「私が嘘をついていると思うか」
アムロ「僕にはわかるんだ、シャア。人の心も、あなたのウソも」
シャア「…」
アムロ「…」
シャア「…興が削がれた。どうも君と話すと調子が狂う。すまないが、ここで話を切らせてもらう。君も法に携わる者なら、被疑者が少しでも長生きするよう、精々無様に足掻くのだな」
アムロ「…」
シャア「アムロ・レイ…。また法廷で会おう」

シャア「覚えておけ、アムロ。優しさだけで生きていける程、法曹界は甘くはないと。そして、優しさだけでは、この世の悪意は裁けはしないと。人を信じるだけでは、人の真贋など分かりはしないと。有罪の立証が、検事シャア・アズナブルの使命である以上は、私は全てを疑い、この世にある悪意を証明して見せよう。私の全存在と我が命に懸けて」

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●その後考えた事
『第一話』
第一話、アムロの法廷デビューで弁護するのは高校時代の友人であるフラウ・ボウ
ハヤト・コバヤシは傍聴席にいる。
殺害された被害者はフラウ・ボウの母親と祖父

法律事務所の所長であり、アムロ・レイの上司はセイラ・マス弁護士

アムロ「大丈夫だフラウ・ボウ、僕がきっと助けて見せる」
フラウ「うう、アムロ。ごめんね、私の為に、こんな大変な事を押し付けて…」
「僕は君の無罪を信じる。フラウはそんなことをする女の子じゃないって、僕らはよく知ってるさ。だからフラウも僕らを信じて欲しい。フラウは一人じゃない」
フラウ「うん…、ありがとうアムロ、セイラさん」
セイラ「邪魔をして悪いけれど、アムロ。そろそろ開廷時間よ。忘れものはなくって。幾らあなたが新人で、初めての担当事件と言えど、被疑者にとって、私たちは皆一様にプロの立場なの。間違いは決して許されないわ。最後まで手を抜かずちゃんと確認するの、いいわね?」
アムロ「はいッ、セイラ所長!…じゃあ、ハヤト、僕らは行くよ。傍聴席で見守っていてくれ」
ハヤト「ああ。任せたぞ、アムロ。完全無罪、何としてももぎ取ってくれ」
アムロ「ああ、やってみる」
セイラ「挨拶は済んだかしら、では、行くわよ、アムロ。法廷の舞台に」
アムロ「は、はい!」

●序審法廷制度について
最長三日間の審議で被疑者が有罪か無罪かを決定し、後の本格的な審議(裁判)に繋げる逆転裁判独自の裁判制度。
犯罪の増加に伴い、(実際の)本格裁判の審議が数ヶ月の長期間に及ぶこともあって、当制度が導入された。

セイラ「序審法廷制度。本格裁判の前に、被疑者が有罪か無罪かを決定する大事な裁判なの」
アムロ「しかし、序審法廷においては、被疑者には最長三日間の審議しか設けられていない…」
セイラ「そう。犯罪件数の増加と警察の捜査能力の向上に伴い、導入された制度だけど。その分、冤罪が多くなったのも事実。だからここ数年で、序審法廷における弁護士の地位が変わった。弁護士による反対尋問の重要性がより高まったとも言えるわ」
アムロ(そう。弁護士の証言や証拠に対する審査によっては、事件は新たな展望を迎え、時に警察や検事の見落としたファクターを提示し、被疑者の罪状が“逆転“する事もある。場合によっては冤罪をも防ぐ事もできるんだ、…だから!)
セイラ「アムロ、被疑者の運命は、私たちの尋問にかかっているわ。今回、私たちの主張は“完全無罪”。どんな不利な状況になっても、全力で迎え撃っていきましょう」
アムロ「はい!わかっています、所長」
アムロ(僕の知るフラウ・ボウは、母親と仲良く暮らしていた、ごく普通の、ありふれた女の子だ。そんなフラウが母親を殺害するはずがない。幼馴染のハヤトも、きっと同じ気持ちの筈だ。そのことをこれからの審議で示すんだ!)

 

逆転裁判シリーズにおいては序審法廷制度は推定有罪を背景にした設定らしい
本作は、裁判所に起訴状を提出し、国家の強制力で被疑者の身柄を拘束し審理にかける検察側の立証責任を重くみて、現実の推定無罪を基本とする
しかし、科学捜査の発展と警察の捜査能力の向上に伴い、犯罪者の摘発率は高いとされているが、犯罪件数と検察側による立件数の増加に比例し、又序審法廷が最長3日間しか設けられていない事もあって、冤罪の確率も高まっている、と言う事にしてください…。

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●第三話ぐらいでの事
『第三話、霊媒師』
ニュータイプが脳の発する感応波で人の心の声だけではなく、霊界にいるとされる死者の声を聞く、「霊媒者」に近い能力を持っているのではないか、とは以前から既に言われていた。

そんなニュータイプという特殊な能力者が秘密裏に存在する故の怪事件。

インド出身の霊媒師(ニュータイプ)ララァ・スンが被害者。
検事局が事件参考人として召喚手続きを踏んでいたらしいが、殺害方法だけでなく、殺害動機が不明な事件。

フラウ・ボウはセイラに拾われて法務助手(?)になる為の勉強を
カイ・シデンは犯罪や法律系を扱うジャーナリストの卵となっている

カイ「カイ・シデン。ライターやってた時期もあったが、今じゃ犯罪記事を扱うケチなジャーナリストだ。改めてよろしくな、所長さんよ」
セイラ「アムロとフラウの同級生ね。話は聞いてるわ。よろしく」
カイ「ええ、よろしくお願く頼みますよ」
カイ(アムロ、エライ別嬪さんだが、何処の家のお嬢さんだよ、それか大企業子息のご婦人か何か?)
アムロ(いや、所長はまだ独身で、マンションで一人暮らしだと聞いたが)
カイ(世の中ってわからんな…。あんな綺麗な人、引くて数多だろうによ)
フラウ「こら、男子は密談禁止。セイラさんの前で不潔よ」
アムロ「いや、そんなつもりでは…」
カイ「フラウ、美女を前に、それは野暮ってもんだぜ」
セイラ「お褒めいただきありがとう、カイ・シデン。でもジャーナリストとして、信用できるかどうかはこれから判断します、よろしくって?」
カイ「はいよ。いやはや、お前んとこの所長さんは、手厳しいね」

アムロ「しかし、セイラ所長は何故ジャーナリストのお前を呼んだんだ。何か知っているか、フラウ・ボウ
フラウ「いえ…、でも確か、裁判の傍聴席に同行すると聞いたけど」
アムロ「傍聴?確か、有罪の決まった(?)元検事が被疑者の裁判だったか」
カイ「検察官の犯行って事で、元々世間の注目度は高かったが、加えて、俺たち文屋の間では、事件の重要参考人が問題で。ちょっとした騒ぎなんだ」
アムロ「重要参考人だと…、そんれが、何故ジャーナリストに」
カイ「所謂、裏からのリークってヤツだ。上の連中に刑事事件や裁判所に近しい人がいてな。どうも、その事件の判例がどうなるかで、今後の裁判にも影響するんだとよ」
フラウ「事件の判例が?どうしてなのかしら」
カイ「信じられない話だが、どうも、参考人として、“死者の人間が証言をする”らしい、明日の裁判で」
アムロ「死者の人間、だって。そんな事、あり得ない!
フラウ「そうよ、死者なんているかもわからないのよ。そもそも一体どうやって」
カイ「なんでも『霊媒師』が代わりに証言台に立って、直接死者の声を代弁をするそうだ」
アムロ「そんなオカルト、あり得るのか?物的証拠が全ての裁判で…!」
アムロ(ニュータイプの存在すら危ういと言うのに…)
カイ「俺だって信じ難いが。だとしても、これは裁判史上前例のない事なのよ。だから俺達ジャーナリストは

 

その話の会話。

ガルマ「君に話す事でもないが、最近、どうもシャアのヤツの様子がヘンでね」
アムロ「シャア検事が、ですか?」
ガルマ「そうさ。なんだか、妙に忙しないというか、この検事局内で、一人何かを探っている。そんな感じなんだが…。同僚だけでなく、友人であるこの僕が聞いても、ウンとも、スンとも。な、ヘンだろう?」
アムロ「それは、その、少し妙ですね…」
ガルマ「ああ。しかし、妙と言えば…。確かにヤツ、資料室で、何か"妙な事"を言っていたな」
アムロ「"妙"…、ですか?」
ガルマ「そう、僕の記憶が正しければ確か、『"亡霊"の正体を突き止める』とか、どうとか…」
アムロ「ぼ、"亡霊"…、あのシャア検事が…」
ガルマ「なぁ、柄にもないだろ、あのシャアが。そんなファンシーな事、信じる年齢でも、信じるような男でもないのにさ。……まして」
アムロ「まして、検事局にいるような人間が…ですか」
ガルマ「そう。よくわかっているじゃないか。僕は検事局にいるダイクン派の連中と違って、ニュータイプなどと、非科学的でオカルト染みた存在、信じてなどいないからね。あ、シャアには言うなよ。ザビ家のことで、色々とややこしいからね」
アムロ「はぁ…」
ガルマ「おっと、坊や相手に少し過ぎた話かな。さて、僕は行くよ。僕のフィアンセが待っているからね」

アムロ「…シャアの探す"亡霊"、一体何の事なんだろう」

(※シャアは実質的にはダイクン派であるがダイクン家の息子である事は偽名を使用する事で隠している。/ガルマがシャア=キャスバル・ダイクンであると知っているかどうかは後で決める)
その場合の会話

アムロ「…そういえば、今のガルマ検事の会話、少し違和感があったような…」
(ニュータイプ的な直観)
※シャア=ダイクン家子息というのは最早ガンダムファンのプレイヤーにとっては公然の事実だが、PCのアムロ・レイはその事実を知らない。これは単純に私のテキスト上のミスだが、人狼的な視点整理の概念をプレイヤーに意識させるのにいい引掛けかもしれない。

アムロ「あの、シャア検事。失礼ですが、ダイクン家とあなたは、どういう関係なんです?」
シャア「どういうことかね」
アムロ「あ、いや…。ダイクン家とザビ家の事について、なのですが」
シャア「…」
アムロ「け、検事局で派閥争いがあるらしいですけど」
シャア「…なるほど、私に鎌かけしようというのか」
アムロ「えっ」
シャア「無駄だ、貴様には駆け引きや騙し合いは向かんよ、まして私のような人種相手にはな」
アムロ「何故断定できる。そもそも、鼻からそんなつもりはないぞ」
シャア「顔にでている」
アムロ「顔…」
シャア「表情が固く、如何にも緊張した防御気味な態度。そして目が横に泳いで、声は震えて、言葉尻が浮いている」
アムロ「み、…見るな!僕が、緊張だなんて、そんな筈がないだろ」
シャア「そしてなにより、お前の思考、ニュータイプの感応波で私にただ漏れだな」
アムロ「なんだと!何故それを先に言わない!それでは、そもそもこのやり取り自体無駄だったって事じゃないか」
シャア「…」
アムロ「なにを見ている!」
シャア「……、こうも容易く引っかかるとは」
アムロ「は…?」
シャア「やはり、君は私を探りに来た、というわけだ。検事なら誰でも知ってる情報で、私が口を滑らすと思うかな、弁護士君」
アムロ「えっ…」
シャア「優れたニュータイプの癖、こんなわかりやすい罠に引っかかる。だから貴様に権謀術数は無理といったのだ」
アムロ「まさか、鎌かけ…?うわっ…!」
シャア「呆れて溜息すらでんよ」
アムロ「…」
シャア「それで、何の話だったかな、アムロ君。もう一度、鎌掛けの手本でもおさらいするかな」
アムロ「うん、もういいんだシャア。用も済んだし、僕は法律事務所に帰るよ」
シャア「そうかね、私はもっと長居しても困らんぞ。黙っているだけで、面白いものが見れるからな」
アムロ「いや、もう帰らせてくれないか。むしろ帰らせてくれ、この場から、今すぐに!」
シャア「まぁ待て。いくら君でも、手ぶらでは居心地悪いだろう。笑わせてくれた礼に、一つ忠告してやろう」
アムロ「うう、そうやって人を見下して…」
シャア「検事局では極力、ダイクンの名を出さない方がいい。検事局の重要ポストは、凡そザビ家やその息がかかっているザビ派の人間で占められている。何せ、そこを仕切る検事局長はあの悪名高いデギン・ソド・ザビだ。ダイクン家はザビ家の政敵だからな」
アムロ「はぁ…、デギン・ザビ局長、ですか?

シャア「検事局の重役はザビ家ザビ派による世襲と言ってもいい程に、派閥固めに容赦がないのだ。法務省(?)の高官ジオン・ズム・ダイクンの打ち出したニュータイプ理論は密かに注目を浴びているが、その神秘思想的理論故、それを快く思わない人間も多い。今検事局はザビ派とダイクン派で二分化されてはいるが、どちらにも組さない私は、その派閥闘争の火の粉を浴びているという訳だ」
アムロ「なんだか大変だな、検事というのも。まして貴方は若いのに、優秀だから。出る杭は打たれる、というヤツなんだろうな」
シャア「それは君も同じだがな。しかし、私はあくまで高官の立場である以上は、局内政治に関して慎重にならざるを得ないのだ」
アムロ「うん、それで」
シャア「であるから、貴様のような部外者が、こちらの島に首を突っ込むなという話だ。新米はこれぐらいの事もわからんか」
アムロ「…」
シャア「とんだ時間食わせだ。ではな、失礼する」

アムロ「うーん。なんだか、上手くはぐらかされた感じだ…。ガルマ検事は確かに言った。『シャアには言うな、ザビ家とのことでややこしいから』って…。でもシャアは、さっき『どちらの派閥にも組してない』と言ったよな…。」
アムロ「これはあくまで僕の勘に過ぎない。でも、シャアは何かを隠している。“シャア自身がニュータイプだから、実際は親ダイクン派である。”そう言い切ってしまうのは簡単だけど。ならば、僕にそう言ってしまえばいい、なのにそうしなかった。するとシャアは、ダイクンの名を出すのを避けていた?弁護士の僕に対しても」
アムロ「まだわからない事が多い。でもシャア検事は、ザビ家に何か個人的な因縁を持っている気がする。これは僕のニュータイプ的直観だ。スッキリしない違和感、もう少し調べた方がよさそうだ」

※シャアがキャスバル・ダイクンとバレた際
アムロ「ガルマ検事、とんだうっかりさんだな…」
シャア「それは、ヤツが“坊や"だからさ」の会話になる。

***
??「フフ…」
アムロ「わっ!」
アムロ(なんだろう、今一瞬、ローブ姿の少女を見た様な…)
アムロ(それになんだ…、み、耳鳴り…?)

カイ・シデン「どうしたよ、アムロ。まるで幽霊でもみたような顔だな」
アムロ「いや…、今、廊下の陰に誰かを見た様な気がして。カイ・シデン、お前は見たか?」
カイ「いんや、そんなの、俺は見なかったけどな…」
アムロ「そう、だよな」
フラウ「アムロ、カイ、何してるの?そろそろセイラ所長の来る時間よ!」
カイ「おうよ。なんかの見間違いじゃないのか。"幽霊の正体見たり、枯れ尾花"、って昔からいうしなァ」
アムロ「そ、そうだな…」

アムロ(僕の気のせいか…、確か『ラ、ラ…』って)

***

シャア「"死者蘇生の方法"…」
アムロ「死者…蘇生、だって?」
シャア「アムロ君。キミは、不老不死や死者蘇生と言った類の話を信じるかね」
アムロ「えっと、それはどういう…」
シャア「死んだ人間が黄泉還る方法など、現実に在り得るのかと聞いている」
アムロ「いや、それは流石の僕も…」
シャア「ニュータイプの存在を信じる君がか?」
アムロ「それは、僕自身がニュータイプだから確信を持てるのであって。死者が蘇るなど、ありえない…!そんな魔術やアヤカシなんて超能力、この世にありはしないのに…」
シャア「しかし、ありえんと否定できるわけでもない。医学の進歩は目覚ましいからな。人の寿命に細工するような薬、不可能とは誰も断言はできまい」
アムロ「まるで悪魔の証明だな…。そんなもの、医療素人の僕にわかる筈もない」
シャア「フ、乏しいな、アムロ
アムロ「なんだと…!」
シャア「医療や薬学などの分野は、犯罪のトリックや検死の領域と深く関わる。まして刑事事件を扱う弁護士ならば、少しぐらい齧っててもいいのではないか、…と私は思うが。違うかな、法曹界の若き新星のアムロ君」
アムロ「うっ…!しかしッ、僕は、法学部出身の文系であって…。そのう、難しい医学や科学の分野は…。でも死者が蘇るなんて、現代ではありえないよ、シャア。そんなもの迷信だ」
シャア「…」
アムロ「少なくとも、僕らのいる法廷は、御伽噺の世界じゃないんだ、死者の出る幕など…」
シャア「不老不死の霊薬など、私も存在を信じているわけではない。しかし、ジオン・ダイクンの掲げたニュータイプ論には、こういった俗説がある。ニュータイプは心の声だけだなく、『死者の声』も聞けると」
アムロ「死者の声、だって…?まさか!確かにニュータイプは、一説では霊媒師の類ではないかって話も、ネットで一時期騒がれたけど。死者の声が届くなんて、それこそオカルトじゃないか」
シャア「しかし、ニュータイプは脳の感応波同士が共振する事により、テレパシーの様な効果を得る。感応波は脳が放つ電波や電気信号の一種である事は確かだが、人の精神活動が脳の電磁気力だけでなく、霊体や魂を含めての事象であるならば、冥界や霊界などの精神世界が、異次元宇宙に存在する事は容易に想像できる」
アムロ「待ってくれ。シャア、法廷は『人は何か?世界とは何か?』なんて認識論や西洋哲学を問う場所じゃない。それは貴様がよくわかっているはずじゃないのか」
シャア「浅いな、アムロ。人の法など元々聖書の神学の領域にあった宗教的戒律から、神的な要素を省いただけに過ぎないのだ。人の権利も主権国家成立も、全ては神学の分野から人が独立する事で得た権力だ。広義的に見れば法学も宗教学やオカルトの一種に過ぎないのだよ」
アムロ「それはあなたの言葉遊びだよ…。そんな世界まで考慮したらば、人の倫理と法律が崩壊する。魔女裁判のあった中世の話じゃないんだ。少なくとも神学に疎い日本では、裁判制度など成り立たないだろうに」
シャア「フン、違いない」
アムロ「…」
シャア「しかし、君が死者を信じようと信じまいと、『霊媒師』今回の事件はそれが重要なファクターだ。ニュータイプ霊媒師の一種かどうかは知らん。しかし、ララァ・スンが殺害されたこの事件の本質を理解するには、そういった異国・異文化の持つ背景の正しい理解が必要なのだ。アムロ
アムロ「…確かに、そうかもしれない。ですが、霊媒などのオカルト、法的に証明できるものではない…」
シャア「君がどう思うと構わん。しかし、これだけは言っておこう。ララァ・スンは『霊媒師』だから殺された。これが意味するところは一つ、即ち」
アムロ「"死者の存在を信じる者"がいる…。少なくともこの検事局内で、霊媒ララァを通じて、死者の声を聞こうとした人間がいた…、そういう事か?」
シャア「流石は、ニュータイプだ。言わずもがな、という訳だな」
アムロ「やめてください、そんな言い方」
シャア「まるでオカルトだ、君のその力は」
アムロ「それは皮肉か、シャア。ニュータイプのあなたが言う事でもないだろうに」
シャア「フン、それはお互い様だ。しかし、君が厄介な存在であるのは確かだ、アムロ。私もニュータイプだが、君程の能力があれば、私の願いももっと早くに叶ったであろうな」
アムロ「あなたの願い?それは、なんだというんです」
シャア「…『亡霊』」
アムロ「ぼ、亡霊…?」

シャア「"死者に会う事"だ、アムロ。私の、永遠に失われた…」

***

アムロが最初見たララァは既に死んでいた亡霊ララァで、アムロが間接的に犯人の偽証(ララァの死亡時間の偽装)と証人のララァ・スンの誤認(本当に幽霊みたり枯れ尾花だった…)を裏付ける形になってしまう
アムロがシャアより優れたニュータイプ的共振力を持っていた為、次元の異なる死霊と共鳴し、姿を霊視してしまった。
ニュータイプ的な霊視は法的根拠がないので裁判では採用されないが、アムロ自身が、それを『無自覚に』『無意識に』に霊視していた場合、本人にその自覚がないので、現世における目撃証言として成立してしまう。という一話からアムロ自身が散々言ってきた「ニュータイプの力は人の意識上の『勘違い』『思い込み』まで知覚できるとは限らない」というパターンの逆張りである。
アムロもまた人であり、心がある以上は、「思い込み」「勘違い」や「誤認」…そして、「無自覚での"偽"の供述」をつく場合あるという事をプレイヤーに認識させるのが目的。

***
調べる系の些細な会話について

アムロ「検事局に、誰か相談できる相手とかいないのか?仲のいい同僚とか、昔誼(よし)みの友人とか…」
シャア「私にとって、友と呼べる相手は、生涯、ただ一人しかおらんよ」
アムロ「一人…?」
アムロ(ガルマ検事のことだろうか、あの人、シャアの事を“友人”って言ってたもんな…)
シャア「…」


***

シャア「ララァ・スンは間接的に、私が殺したと、言ってもいいかもしれない。検事局にララァを紹介したのは私だ。そして近日、彼女が別法廷の証人喚問を終えた後、個人的に依頼するつもりだった。『霊媒師』…優れたニュータイプである彼女に、"死者の霊媒"を…」
アムロ「死者の霊媒…?何故、貴方がそんな事…」
シャア「君に話す必要はない」
アムロララァは殺されるような人ではなかったのに…」
シャア「…死者に憑りつかれるような男なら、尚の事、話す意味はないな、弁護士君」
アムロ「そんな言い方!あなたが検事局にララァを連れ込んだり(霊媒を依頼しようと)しなければ、ララァ・スンは…!」
シャア「…」
アムロ「…すまない。それは、あなたが一番よく知っていた…」
シャア「構わんよ、人の恨みを買うなど、昔から慣れている事だ」
アムロ「ごめん、シャア。僕は、どうもカッとなりやすくて…」
シャア「本当にそうだ、君は、いつもいつも、赤の他人に肩入れし過ぎるようだ」
アムロ「…」
シャア「…アムロ君。今回の殺人事件、どう思うか」
アムロララァ・スンの事件…?」
シャア「ララァ・スンは確かに霊媒師だからこそ殺されたわけだが、死者を呼べる事それ自体は裁判に何の影響も持たない。それは法曹界…、少なくともこの国では、死者の証言には何ら法的根拠を持たないからだ」
アムロ「魂の存在があるかどうかすらわからない上、死者本人の発言と証明する手段もありませんからね」
シャア「そうだ。少なくとも死者の存在を前提として、霊魂を認める法整備がなければ、死者を法廷に呼び出す事は凡そ不可能だ。しかしララァ霊媒師故に殺された。何故か」
アムロ「それは、今日の法廷で僕が証明したじゃないか。ララァ霊媒師としての力…ニュータイプの能力を知っていた真犯人が、彼女の発言を恐れて…」
シャア「そう、彼女は霊媒師としてホンモノの力を持っていた。故に殺された。それはニュータイプの存在を肯定した故の犯行…、つまり、この検事局にはいるのだ。ニュータイプの真価を知っている者が、法曹界の上層部に」
アムロ「優れたニュータイプは、テレパシーだけでなく、死者の声が聴けると…?それじゃあ、まさか…」
シャア「ニュータイプの本当の能力…、霊媒の力を知られると困る人間が、この検事局にいるという事だ、アムロ。そして、司法界はニュータイプの霊的能力、死者の存在を暗黙に認めつつ、公には黙秘し続けてきた…」
アムロ「つまり、ニュータイプの力を私物化して、裏で利用しているものがいる…?」
シャア「あるいは、の話だがな」
アムロ「…」
シャア「…アムロ君。君は今後、この事件から手を引きたまえ」
アムロ「え!な、なにを今更…」
シャア「我々公権力を背後にする検察と違い、君は一民間人に過ぎないのだ。弁護士資格があるだけで、何の権力も持たない君の技量で捌ける事件ではない」
アムロ「で、でも僕はこの事件の担当弁護士だ!僕も事件を究明する義務が…!」
シャア「ニュータイプの癖わからないか。私は邪魔だ、と言っているのだ。素人の弁護士風情が検事局を嗅ぎまわられても困る」
アムロ「そんな、そこまで言わなくとも…」
シャア「先の裁判の様な、しどろもどろで情けない姿。検事席側でも、とても見るに堪えないのでな」
アムロ「シャア、黙って聞いていれば…!」
シャア「時間だ。私は、君と違って法廷に立つだけでいい身分ではないのだ。子供に構っている暇などない。精々担当する事件が私と被らない様、祈る事だな」
アムロ「なんだと!シャア、この裁判、僕に負けたくせに!」
シャア「無実の罪で投獄されるような、冤罪がなかった事は、こちらとしても本懐なのでな」
アムロ「負け惜しみを!」
シャア「迎えが来た。そこで無様に吠えていろ、じゃあな、漂白剤のアムロ君」
アムロ「ひょ、漂白剤だってぇ…?!」

アムロ「なぜ、わかったんだ…。このスーツ、間違えて漂白したって……。あのサングラス男っ…!!」

---
●最終話のイメージ

事件の被疑者はアムロ・レイ、その人である。
担当弁護士は不明
検察側は無論シャア・アズナブルが担当する。
アムロは自分の弁護は自分ですることに(逆襲裁判1-2のパロディ)

シャア「法廷ならばともかく、まさか留置所で君に会うとは思わなかった」
アムロ「それはこちらのセリフだ」
シャア「よもや君の担当検事に私が選ばれるとはな」
アムロ「それもこちらのセリフだ」
シャア「残念だ、アムロ。こんな形で君に引導を引き渡す事になろうとは」
アムロ「待て、僕はやっていない!確かに、被害者には気の毒な話だよ。しかし!貴様だって、僕がどう言う人間かはわかっているはずだろ」
シャア「ああ、わかっている。君は、アムロ・レイは、私怨や衝動で人を殺める程純粋な男ではない。むしろ、それを忌み嫌い仲裁に入るような愚かしい傲慢な男だ。計画殺人など企てる暇があるなら、宿敵と分かり合える道を探すだろう。それは、こちらも充分承知している」
アムロ「ならば、警察の捜査もあなたの起訴も不当のはず。シャア、お願いだ、もう一度事件の捜査を!被害者はこんなの望んでいない。あなただって、真犯人が野放しのままなんて、納得いかないはずだ」
シャア「残念だが、それは無理な相談だアムロ君。これは上の決定であり、絶対なのだ。今更起訴状を取り下げるなどあり得ん。まして、担当検事を代わるなど出来よう筈もない」(※自分以外の検事が担当になったら碌な審議もなく、まともな弁護士もつかず間違いなく刑務所送りだから)
アムロ「どうしてだシャア、やはり、あなたは!」
シャア「本当に、残念だ」
アムロ「…」
シャア「いや、無念と言うべきかな」
アムロ「…含みのある言い方だな。でもあなたが担当検事になったという事は、僕は有罪なんだろ。あなたの言う理屈なら」
シャア「そうだな」
アムロ「シャア。これではっきりしただろう。あなたのやり方は間違っている。確かにあなたは優秀な検事かもしれない。しかし、今まであなたが起訴した人間の中にも、きっとこんな風に理不尽に起訴され、冤罪になった人だっていた筈なんだ」
シャア「有罪を立証するのが私の仕事だ」
アムロ「しかし、いくらあなたが犯罪を憎み、検事としての信念があろうと、こんな事許されるはずがない」
シャア「…」
アムロ「もしあなたが、これからもこの生き方を続けたならば、いつか必ず、あなた自身が罰を受ける事になる。…だから!」
シャア「…」
アムロ「聞いているのか、シャア!」
シャア「フ…、罰なら、もうとうに受けている」
アムロ「なんだって」
シャア「…」(※君が捕まった、そして、無実の君の有罪を立証する。この私自身の手で…)
アムロ「…な、に…」
シャア「…」
アムロ「シャア…?」
シャア「ここでの会話は公文書で記録される。それ以上喋るな」
アムロ「…」
シャア「しばらく時間をくれ」

***
●法廷漫才のメモ
シャアは動揺すると
「ええい!冗談ではない!」と白目を剥いて睨んでくる(ミツルギのやられモーション)
「バカなッ!」と古風な事も当たり前のように言うと思う。(逆転裁判の脚本を書いているタクシューさん的に)

アムロ(Z、W、V、G、X 、∀…。なんだか身に覚えのある文字の並びだ…)
アムロ(この文字列、一体何の意味が…)
シャア「フン、“赤い”専用機体とサザビーのないガンダムに意味などないのだ」
アムロ「せっかくトボけてたのに、作品名を出すな、シャア!」
シャア「ええい、いつになったら1stはリメイクされるのだ!」
アムロ「そんなものは、サンライズのご意見版にでも書いていろ!」
裁判官「検察官、弁護人、今は審議中です。静粛になさい」
アムロ(やっぱり、怒られてしまった…)
裁判官「私は、宇宙世紀と00以外認めません」
アムロ「裁判官、あなたもガンダムか!」
シャア「いい加減にしたまえ、アムロ・レイ。ここはガンダムシリーズ同窓会でも、サンライズ同好会でもない!これ以上喋ろうものなら、法廷侮辱罪も厭わんぞ」
アムロ「最初にサザビー言ったシャアのせいだろ!」
シャア「言うな。赤い彗星のないガンダムなど、ガンダムとは認めん、それが何故わからん!」
アムロ「知るかバカ!いい加減新作ぐらいみろよ、シャア!」
フウロ「うー、ファン同士の争いって、見てて情けなくなるわねぇ…」
アムロ(そんな、哀れんだ目をしないでくれ、フラウ・ボウ…)
シャア「フン。似過ぎたもの同士は、憎しみ合うと言うことさ」
アムロ「それは理屈だ」
シャア「しかし、正しい物の見方だ」
アムロ「語呂(語録)だよ、それは…」
アムロ(だ、ダメだ。このままだと永遠に続いて、終わらない!審議時間が潰れてしまう。法廷でガンダムの話題は禁物だな)
フラウ「例えるなら、ああ、メビウスの輪から抜け出せない…って感じね、アムロ!」
アムロ「ざ、戯言はやめろ、フラウ・ボウ!」
シャア「む、それは私の台詞だ。パクるな、アムロ・レイ!」
アムロ(ああ、抜け出せない、メビウスの輪…)
※原作パロディはほどほどに

シャア「弁護人、物事には約束事があるのだ。破壊されるCAPCOM製ヘリ、爆破されるバイオ兵器研究所、そして燃え上がるガンダムだ」
アムロ「それ以上言うと、偉い人から怒られるぞ、シャア…」
フウロ「しかも、いちいち喩えが不吉だよ、シャア検事…」
アムロ「まるで、”白いヤツ“が炎上してるみたいな言い方だったな…」

アムロ「続きを知りたい、と言うのか。ならば、逆転裁判シリーズを遊ぶんだ、シャア!」
シャア「ええい、他所の作品を宣伝するではない、アムロ!」
アムロ「い、いや。逆転裁判の新作が音沙汰ないので…、後方支援しようかと…」
シャア「ここはCAPCOMファン倶楽部ではない、被疑者の罪を問う裁きの庭なのだ。いい加減審議に集中するのだな、弁護人」
アムロ(他所のパイロット軍人が、裁判してるのはいいのか…)

シャア「宣伝をすればパロディが許されると思うたか、アムロ君」
アムロ「ライバル同士の“赤いヤツ”と“青いヤツ”と言われると、つい反応する」
シャア「おや、君は”白いヤツ“ではないのかな」
アムロ「そこは触れてくれるなよ、シャア。込み入った事情があるんだ」
シャア「しかし、君にはやはり白が似合うな」
アムロ「何…」
シャア「白旗でも見てるようだ」
アムロ「それでは、僕が負けてるみたいじゃないか」
シャア「まだ青い、ともいうな。青二才のアムロ・レイ
アムロ「もう、喋るな…」

***
●法廷会話メモ

1-1
アムロ(は、派手な衣装だなぁ…、ガルマ検事。金の飾緒(かざりお)に、肩章までついてるぞ…)
セイラ「なんだか、煌びやかで豪華な服装ね。端的に言って装飾華美だわ、法廷では」
ガルマ「気品と格式のある…と、言いたまえ、セイラ弁護士クン。高潔な検察官としては当然のことだよ」
アムロ(い、いいのか、アレは。裁判官は物言わず、目を逸らしているが)
セイラ「…もしかしたら、言いだせないのかもしれないわね」
アムロ「い、言えない…ですか?」
セイラ「なにせ、相手は名家ザビ家の検事だもの。法務省高官や大臣とも交流のある、検事局きってのエリートよ。ザビ家はこれまで何人もの官僚を輩出している名門の家系。迂闊な事は言えない、首が飛ぶかもしれないもの」
アムロ(うーん。これが、"政治的圧力"…ってヤツなのか)

1-2
アムロ(れ、例によって派手な衣裳だな、シャア検事…。しかも全身真っ赤だぞ…。)
シャア「当然だな、アムロ君。神聖なる裁きの庭に仕える検事としては、厳格な衣裳に身を包まねばな」
アムロ(そして、さも当たり前の様に、心の中を読まないでくれ…。いくら、ニュータイプであろうと…)
裁判官(?)「こら、弁護人、無駄口をたたかない」
アムロ「え。ええと、僕はまだ何も喋ってないんですが、一言も」
シャア「君の目は口ほどにモノを言う。そんなもの、ニュータイプでなくてもわかる。君の場合、顔が只管にうるさいのだ」
裁判官「そうです」
アムロ(そ、そんなにも、わかりやすいのか、僕って…)
※シャアはニュータイプとしては少し能力が弱い

フラウ「でも、あの衣裳、少しカッコいいかも。高級軍人…って感じで」
アムロ「しかし、目立ちすぎる赤色だ。法廷の風紀と秩序を乱すような服は、ホントは良くない筈だが…」
フラウ「そう?綺麗で威厳があっていいと思うけどなぁ、私は」
アムロ(検察側は衣裳が派手じゃないと、いけない決まりでもあるのか…?)

1-3?
フラウ「あれ?シャア検事、いつものサングラスかけてないね、アムロ。前はヘンテコな仮面つけてたのに」
アムロ「ああ、日本の裁判所では基本的に覆面禁止[*検事は?]だからな…。特例でもない限り」
フラウ「アムロ、特例って?」
アムロ「身体・精神的な事由だよ。よくある前例では、怪我や火傷かな」
フラウ「そういえば、シャア検事、"オデコ"に傷跡があるわね」
アムロ「あ、確かについている。最近ついたでもない、古傷みたいだ」
アムロ(火傷の跡とか、人相が悪いからとか、噂があったらしいが。もしかして、アレを隠す為なのか?)
フラウ「検事のアレは、ただかっこつけてるだけじゃないのねぇ…」
アムロ(どちらかというと、あの派手な衣装の方が、問題になりそうなものだけど)

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●取り止めのない会話

シャア「ナルホドー・リューイチ。聞いた事のない不思議な名前だ」
アムロ(シャア・アズナブルも、大して変わらないだろうに…)
シャア「しかし、アムロ・レイより余程まともか。どちらが苗字ともわからん、戦闘機の型番でもないのにな」
アムロ(ええい、余計なお世話だ、それは)

アムロ「検事の言っている事が、僕にはよくわからないんですが…」
ガルマ「それもわからないのかい。やっぱり偽物だな、君は。シャアの言うニュータイプならば、簡単に答えられたかも知れないが」
アムロ(それが、ニュータイプでもよくわからない…)
フラウ「アムロ、空気読む方なのにね。引っ込み思案で、ホントは会話苦手なのに」
アムロ「それは言うなよ、フラウ・ボウ
フラウ「ガルマ検事って、もしかして、少し天然なのかしら」
アムロ「シャア検事となら、うまく話せるんだろうか」
フラウ「あの赤い人も、法廷の外だと、何かと天然だものね」
アムロ(ブルジョア階級で世間知らず、という事か…。住む世界が違うとは言うが、取り付く島もないな、これでは)

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●人物ファイル:つきつける
(1)1-3?シャア
アムロ「例の如くキラキラしてるなぁ、シャア検事の衣裳…」
フラウ「やっぱりこうしてみると美形よね、シャア検事」
アムロ「目の方は相変わらずギラギラだな…。でもやはり、派手な赤色の方に目がいく」
フラウ「もしかしたら、上官の趣味なのかしら。偉い人がそれを着てるから、とか」
アムロ「確かに、僕らの事務所も軍隊みたいな詰襟制服が正装だしな、何故か…」
フラウ「職場によって、色々としきたりがあるかもしれないわねぇ、服装って」
アムロ(うーん、新社会人の洗礼だな)
※登竜門

(2)1-2ガルマ・ザビ
アムロ「ザビ家か…、厄介な検事が知り合いになっちゃったな」
フラウ「ザビ家って、新聞やニュースでよく見かける家柄よね。ザビって苗字、私でも聞き覚えがあるわ」
アムロ「そうだね、一家全体が国家の三権に携わってるらしい。注目度の高い事件では、報道陣に顔を出すみたいだ」
フラウ「それに、ザビ家の検事は被告人を有罪にする為なら手段を選ばないって、黒い噂が多いみたい。セイラ所長が言ってたもの」
アムロ「話した感じでは、ガルマ検事は悪い人じゃなさそうだが、勝星に拘る節があるからな」
フウロ「その分、やっぱり冤罪も多いんだ。私の時みたいに」
アムロ「ああ、きっとフラウだけじゃない。冤罪事件。昨今の犯罪の件数の増加と共に、法曹界の抱える大きな問題だな…」
※ザビ家の子供息はその一族の誇りと家長の圧力から、何事も必ず勝たなければならない強迫観念がある

1-2 中盤
アムロ「それにしても、何度見ても派手な衣裳だよな、ガルマ検事。似合うとは思うが…」
フラウ「それに、ガルマ検事と一緒にいた赤い検事、その上仮面までつけてたわよね」
アムロ(この地域の検察官は、法廷を舞台か劇場と勘違いしてる節があるな、これでは…)
アムロ「裁判所で仮面をつけるとは、何か理由が。火傷の跡でも、顔にあるのだろうか」
フラウ「まるでオペラ座の怪人みたいね、アムロ。元々、役者志望だったのかしら」
アムロ「オペラか。確かにハッタリや演技は必要だけど、弁護士や検事は、役者とは違う筈だ。学部も芸術と法学で違う系統だし」
フラウ「でも確か、芸術学部出身の俳優志望者で弁護士になった人がいるって、聞いた事あるわよ。現役合格だって、司法試験」
アムロ(芸術学部で司法試験、しかも現役合格だと!?な、何者なんだ、ソイツは…!)

(3)1-2セイラ・マス
アムロセイラ・マス所長。僕の上司で法律事務所の所長だ」
フラウ「あの若さで所長だなんて、すごいよね。私の憧れだな」
アムロ「そうなのか?」
フラウ「うん。最初の裁判で助けてもらったのもあるけど、デキるキャリア・ウーマンって感じでカッコいいもの」
アムロ「確かにセイラさん、仕事もできるし、部下の面倒見もいい。それに美人だから、同僚からも人気があるんだよな」
フラウ「私も所長みたいに、早く大人の女になりたいわ。母さんとおじいちゃんの為にも、私を拾ってくれたセイラさんに恩返しするの」
アムロ「ああ、そうだね。応援するよ、フラウ・ボウ
アムロ(亡くなった家族の分も頑張ってるみたいだ)

(4)ベルトーチカ
フラウ「ベルトーチカさん、海外暮らしが長くて、戦災孤児なんだって」
アムロ「ああ、気の毒な話だ。まだ年端もいかない女性の独り身では、心細かっただろうに」
フラウ「私も、なんとなく気持ちがわかるな。争いを嫌って、将来が不安なところ」
アムロ(フラウも家族を亡くしてるからな…)
フラウ「だから、他人事じゃないって感じね」
アムロ「そうだな、事務所で手助けができればいいが」

(5)ハヤト・コバヤシ
フラウ「小さい頃からの幼馴染ね。空手を習ってて、投げ技が得意よ」
アムロ「思えば高校の頃、柔道の時間に人一倍投げられた気がするな」
フラウ「当のアムロはパソコンいじって、お勉強ばかりだったものね」
アムロ「そもそも、白帯相手に手加減をしないハヤトの方が問題だ」
フラウ「あの時は、アムロのお父さんの事で色々思うところあったのかも」
アムロ「うーん、国の技術者に家を立ち退く様に言われたら、当然か」
フラウ「あれでもアムロを心配してるのよ。人の恨みを買うから、弁護士って」
アムロ「ハヤトの事は僕もわかってるさ。いつか、護身用に技を教えてもらうよ」

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●調べる系
(2)パロディ
アムロ「DL6号事件…?何だか無視できない事件ファイルだな」
フラウ「ん?どうしたのアムロ、忘れたものでもあったの」
アムロ「いや、この事件ファイルが…」
『DL6号事件ヲ忘レルナ』
アムロ「…!?」
『DL6号事件ヲ忘レルナ』
フラウ「アムロ、大丈夫?例の…、ニュータイプサイコメトリー?」
アムロ「い、いやなんでもない…」
アムロ(な、なんだ。何故か悪寒が…)

(1)車
アムロ「真っ白に光るクーペ。スバル車のレオーネシリーズのRX-2か。随分とレトロな車だ、綺麗に整備されている」
フラウ「そういえば、アムロって、車の免許は持ってないの?」
アムロ「一応、普通免許は持ってるんだが、肝心の車がないんだ」
フラウ「意外ね。アムロ、機械弄るの好きなのに」
アムロ「僕の場合、コンピュータの方が気になって、車に手を出せないんだ。独り者には少し高いな」
フラウ「あれ、でもこの前セイラ所長の車のエンスト直したり、部品交換してたよね。タイヤだって一人で交換しちゃうし」
アムロ「ああ、それぐらいなら男手ひとつで大丈夫さ」
フラウ「でもアムロ、車持ってないのに」
アムロ「そんなもの、マニュアルを読めばどうにでもなる」
フラウ「どうなってるのよ、それ!」

赤のポルシェ
アムロ「真っ赤に輝く派手なクーペ車だ」
フラウ「あ、これは私も知ってるわ。ポルシェっていうのよね」
アムロ「ああ、ポルシェ356A型、後のWVのビートルシリーズ、『カブトムシ』という渾名があるな」
フラウ「年代物なのに新品みたいにピカピカね、愛車なのかな」
アムロ「うーん、何故だ。この派手な赤を見ると、知らない筈の誰かの記憶を思い出すな」
フラウ「えーと、例のニュータイプ的なもの?」
アムロ「心なしか、懐かしい感じがする。理由はよくわからないけど」
フラウ「赤に因縁があるのねぇ、アムロって」
アムロ(どんな因縁だ、それは…)

脚立とハシゴ(ノルマ)
フラウ「あ、ハシゴがあるわ、アムロ
アムロ「違うぞフラウ・ボウ。アレは脚立だ」
フラウ「え、でもハシゴとどう違うの?」
アムロ「そうだな。アレは折りたたみのできる脚立で、高所で作業する時はハシゴに…」
フラウ「あら。それってもうハシゴじゃないの?」
アムロ「ん?確かに、そういう事になるのか」
フラウ「じゃあハシゴでいいわね」
アムロ「何故そうなる」
フラウ「もっと本質をみようよ、アムロ
アムロ(…なんだ、この強烈なデジャブは)

ショベルとスコップ5-5
アムロ「あ、大きいスコップがあるぞ、シャア」
シャア「いや、アレはショベルだ、アムロ君」
アムロ「どう違うんだ、似たようなものだが」
シャア「ショベルは塹壕の為に土を盛り、スコップは地雷を埋めに穴を掘る。使う用途が違うのだ」
アムロ「僕はスコップ一つで土をならして、防空壕の一つも掘るけどな」
シャア「感性の違いだ、アムロ。もう少し軍記を学ぶが良い」
アムロ「もっと本質を見たほうがいいと思うぞ、シャア」
シャア「本質は時にナンセンスだ」
アムロ「そういえば、大きいスコップを見ると、何故かあなたを思い出す。脳に何かが光るんだ」
シャア「そうか。だが、私の記憶にはないな」
アムロ「僕の気のせいだろうか。しかし、確かに頭の中で、サングラス姿のあなたが、何故か工事現場に…」
シャア「そうだ。スコップと言えば、夢で、遺体を埋めている君を見た」
アムロ「!!い、嫌だ、思い出したくない…」
シャア「確か、あの遺体はガルマの…」
アムロ「やめろ、もうたくさんだ!」
シャア(しかし、アレは私がガルマを…。アムロには、言わん方がいいな)
アムロ「あなたはいつもそうだ、間接的に僕に人を…!そんなもの、夢で終わらせなきゃダメだろ」
※ほのぼの会話の流れで、人の死を持ち出すシャアは流石に人の心がない…。でもアムロとスコップってそれぐらいしか思いつかないので探す。

脚立とはしご 5-5
アムロ「あ、あそこに脚立があるぞ、シャア」
シャア「ああ、確かにアレは脚立だな」
アムロ「珍しく意見が合ったな」
シャア「そうだな、アムロ
アムロ「…」
シャア「…」
アムロ「では、アレは何だと思う。シャア」
シャア「ああ、アレは折り畳みのできる脚立で、高所を作業するときはハシゴになる」
アムロ「そうだな、紛う事なき脚立だ」
シャア「そうだ、アレは確かに脚立だ」
アムロ「…」
シャア「…」
アムロ「僕らは今、物事の本質を理解したのだろうか」
シャア「本質とは時にナンセンスだ」
アムロ「ああ、そうかもな」

スコップとショベル2 5-5
アムロ「あ、あれは雪かき用のスコップだ」
シャア「いや、アレこそが歴としたしたショベルなのだ、アムロ
アムロ「何が違うんだ、似た様なものだろう。アレはスコップだよ」
シャア「先も言ったが、ショベルは基本的に土を運び、山に盛るのだ。だから雪をかき雪を運ぶアレは間違いなくショベルだ」
アムロ「もっと本質をみたほうがいいと思うぞ、シャア」
シャア「アレはショベルだと何故わからん、アムロ
アムロ「争い合うだけがニュータイプじゃないだろ、シャア」
シャア「人は変わっていける、そういったのは確か君だったな」
アムロ「貴様もニュータイプだろうに」
シャア「この暖かさを持った人間が空気さえ凍らせるんだ。それをわかるんだよ、アムロ
アムロ「わかってるよ、だから人類に人の光を見せなきゃならないんだろ」
シャア「人類より先に、貴様がまず叡智を授かるんだな」
アムロ「そんな理屈」
シャア「アレはショベルだ、アムロ
アムロ「違う、アレは雪かきができるスコップだ」
シャア「ええい、冗談ではない!貴様とは争い合う宿命という事か、アムロ
アムロ「これが宿命だって?うわっ」